クリスマス前最大の天体イベント!12月の中旬はふたご座流星群を楽しもう

毎年同じ時期になると話題になる流星群、12月は三大流星群のひとつ『ふたご座流星群』が極大となる月です。


2024年ふたご座流星群の見頃と準備

流星群の観測や撮影にも事前の知識入手や準備が大切です。しっかり準備して今年最後の三大流星群を楽しみましょう。


2024年のふたご座流星群はいつ観測するべき?

2024年のふたご座流星群がみられる時期は12/4頃~12/20頃(※国立天文台NAOJより)で、最もたくさんの流れ星が流れる極大日は12/14が予想されています

2024年は12/15が満月のため、今年はふたご座流星群を観測するコンディションは悪いといえます。これは日中に太陽光で空が明るく星が見えないように、満月の月光が強すぎるために夜空が明かるくなっており、見える星の数が減ってしまうからです。満月の強すぎる光は流れ星の観測にも大いに影響を与えてしまうのです。

とはいえふたご座流星群はさすが三大流星群のひとつ、明るい流れ星を観測しやすい流星群のため、満月でも観測しに行く価値はあります。

極大時期だけを考えると12/13日の晩から12/14の明け方付近がねらい目といえますが、月明かりの影響はかなり大きいです。

満月を加味した「星の音」的見解としては次の日程をお勧めします。


星の音的2024年ふたご座流星群の見頃予想

月明かりの影響があるので観測開始の時間を調整することが前提ですが、私は下記の順でお勧めします

  1. 12/13 月の入予定 翌14日4:45 ☆
  2. 12/12 月の入予定 翌13日3:38 〇
  3. 12/14 月の入予定 翌15日5:54 △

※上記の月の入予定時刻は石垣島のものなので、お住まいの「地域を指定」して「月の入り時刻」と「日付」で検索してみてください

月が沈めば月明かりの影響も激減します。サンセット後に徐々に空が暗くなり星が見えだす状況と同じことがムーンセットでも起こります。

日の出の一時間前くらいまでは星も見えますから、12/13の深夜から見始めて月が西の彼方へ沈んだ後、12/14未明までが最大の流れ星観測チャンスとなりそうですね。


流星群の名前の由来と見るべき方向や時間帯について


流星群は毎年ほぼ同じ日程に同じ星座名を冠したものがやってきます。(※ここでは理由は省きますが、興味ある方は別記事で解説していますのでそちらを参照ください)

これはその名前の星座のなかに流れ星の放射点(流れ星が流れ始めるポイント、流れ星の元が地球に降り始める方向)があるためです。

では放射点のある星座を探せば流れ星を見つけやすいのかというと、実は必ずしもそうではありません。


流星群を見るべき方向

ふたご座流星群の放射点はふたごの頭のひとつカストル(二等星)の近くにあります。さきに説明したとおり、放射点とは流れ星の元がたくさんある方向でしかなく、放射点を見れば流れ星を見つけやすいというわけでもありません。

流れ星を見つけるために最も必要な要素は雲がないことです。たとえ新月の暗闇の晩でも、空一面が曇り空では流れ星はおろか星のひとつも見られません。

つまり、流れ星を探すには空の広い範囲が晴れた場所を眺めるのが最適解なのです。

仮に運よく雲一つない星空が広がっていた場合にも、放射点のある方向を見るのはあまりお勧めしません。流れ星は放射点よりすこし離れた場所から本格的に光り始めるからです。

私の経験上ふたご座流星群を眺める際は、わかりやすい星座でいうとオリオン座やカシオペヤ座、またはこぐま座(北極星)のあるあたりから明るい流れ星を見つけやすくなるはずです。

流れ星の撮影を狙う際も同様です。


流星群を狙う時間帯

流星群で流れ星を狙う時間帯については、事前に次のポイントをおさえるといいでしょう。

  • 月明かりの無い(少ない)時間帯
  • 放射点が空に昇っている時間帯
  • 雲が少ない時間帯

まず月明かりに関しては観測予定のエリアを指定して、月の出入りの時間をWEB検索すれば調べられます。月が空にない時間帯が望ましいですが、新月~半月間の月齢の場合はさほど気にしなくても大丈夫です。

つぎに放射点が空に昇っている時間帯ですが、無料の星図スマホアプリなどで確認することが出来ます。放射点だけを考えた場合、ふたご座流星群に関しては21:00以降明け方までが流れ星が見やすい時間帯です。

雲が少ない時間帯に関しては、WEBで天気予報を確認してみましょう。可能ならWindy(無料の風や雨雲や天気がわかるアプリ)や時間ごとの雨雲レーダーが確認できる天気予報を見ると確認できます。

※石垣島では天気が変わりやすいため予報の精度は低いです


ふたご座流星群観測の準備

ふたご座流星群は12月の流星群なので、十分すぎるほどの防寒対策をすると安心です。

冬キャンプをしたことのある人は想像しやすいと思いますが、冬の夜は想像以上に寒くなります。

星空観測には暗闇が必要なため、キャンプと違い焚火などで暖をとる手段を選ぶことは出来ません。冬の星空観測でおススメの防寒方法は次の通りです。


1.底冷え対策

地面から伝わる冷気への対策はとても大切です。

遮熱性の高いシートや、アウトドアコットやチェアがあるなら使用するといいです。ただし、あまりに場所をとりすぎるサイズのものは周りに迷惑がかかる可能性があるので注意が必要です。

合わせて厚手の靴や靴下、足用カイロなどがあると万全です。

足元の冷気対策はとても効果的です。

2.防寒衣類・防寒グッズ

暖かい服装も当然ですがとても効果的です。寒冷地で星空観測をするなら、スキーやスノボなどのウィンタースポーツウェアでもいいかもしれません。星空観測は動かずじっと空を眺めるのが一般的です。体を動かして暖を取る状況はまずありません。

ヒートテック素材のインナーに加えて、ウィンドブレーカーなど防風効果の高いアウター、手袋、マフラー、耳当て付きのキャップなどがあれば安心です。

ホッカイロなど暖を取れるグッズの使用もお勧めです。

3.ホットドリンク

保温性の高いボトルなどに好みのホットドリンクを入れていくといいでしょう。体の中から温まると同時に、心もほっこりしてきます。満点の星空を見上げながら飲む冬のホットドリンクの美味しさには感動するかもしれません。

冬の星空観測の一番の楽しみがまさにこれ、という人も少なくないかもしれないです。

4.風防出来るロケーション

山の上や開けた場所で星空観測する場合、特に気を付けたいのが風対策です。冬の冷気は風によってその寒さが倍増していきます。

もしまわりに風を防げそうな公共の建造物や自然物があればそれを利用してみましょう。もちろん、他人に迷惑がかからないようにです。他人の所有物を了解なく利用することは絶対にやめましょう。

また蛇やイノシシなど危険生物に対する安全面のチェックは必要です。

5.電気毛布など電化製品

小型軽量のポータブル電源を所有しているなら使わない手はありません。

遮熱性の高いシートやチェアに加えて、電気毛布を使うととても快適に過ごせることでしょう。

注意すべき点は大型の家電やポータブル電源などでスペースを取りすぎないこと、雪や急な雨による感電に気を付けること、ハロゲンヒーターなど発光するようなものの使用は控えること。事前にポータブル電源で使用する電気毛布や家電が作動するかチェックしておくといいでしょう。

まずいないとは思いますが、コタツなど場所を取る家電の使用は他に人がいないところで楽しんでください。


ゴミは持ち帰り他人に迷惑をかけない

他にも様々な防寒対策はあるはずなので、自分に合った防寒準備をするといいでしょう。

そしてゴミは風に飛ばされないよう配慮し、必ず持ち帰ってください。

すこし悲しい話ですが、星空観測をしてそのままゴミを放置していってしまう人たちがたまにいます。とても恥ずかしい行為だと思いますし、そんな人たちが星空を見て綺麗とか言っている様子は滑稽でしかありません。

年代を問わず、日本人なら当たり前に持っていたモラルやマナーを失った人たちが、このところ少しずつ増えているように思います。


あなたは大丈夫?流星群を見るときのマナー

普段は星空に興味がなくても、ニュースや記事などで流星群のことを知って見に行くという人もいるでしょう。

今回はほかに流星群を見ている人たちが同じロケーションにいる際に気を付けたいポイントを紹介します。

私が実際に過去遭遇したちょっと残念に感じた人たちの事例を含むため、私の主観が多分に含まれますが、他人を尊重できる人には共感できる内容だと思います。


勝手にDJ?まわりを気にせずスピーカーで音楽を流す

プラネタリウムにいくと、スクリーンに映し出された美しい映像とともに厳選された音楽が雰囲気を素敵に彩ってくれています。

プラネタリウムの空間はその道のプロが考え抜き、来訪者に心地よくなるよう計算を重ねた末に作られたプログラムです。

流星群に向いたロケーションは、街の雑踏やは民家などの明かりがなく、ひと気や街頭すらない郊外であることが想定されます。

そこは現実世界であってプラネタリウムではありません。

ある人は静かに虫の音や鳥の声など生き物たちの発する音、ある人は風の音や草木のざわめきなど自然の発する音など、流星群を見に来た人それぞれに星を見るための最高のロケーションがあるのです。

おそらく当人たちは自信をもってスピーカーで流す音楽が、そこにいるほかの人たちにとっても最高の音だとは限りません。

私が実際に遭遇したなかでも特にひどいと感じた人たちが、スピーカーで音楽を大音量で流しながら流星群を楽しむグループでした。

もし仮に先に現地に着いていたとしても、後から人が来たのなら「音楽をかけていても大丈夫ですか?」などの配慮は必要だと思います。

見える範囲に人がいない場合でも夜は遠くまで音が響きやすいため、音量には気を付けて音楽と観測を楽しむといいでしょう。


その撮影は迷惑になっていませんか?

流星群をみるとき、流れ星を撮影したいと思うのは至極当然のことです。カメラやスマホで星空を撮影するのももちろんOKです。

ただ、他者への配慮は最低限必要になります。

これは流星群に限らず星空を見る際の注意点でもありますが、特に下記に該当することが無いよう配慮しましょう。

  • 機材を人の導線上に設置する
  • レンズ交換などで光を使う行為
  • 場所を広く占有する行為

星空撮影は自分にとって楽しいものですが、周りの人たちにとってはどうでしょうか?他者への配慮が疎かになっていないかは気を付けたいポイントですね。


レーザーポインタやライトの使用に注意

流星群の日は普段よりもたくさんの人たちが星を眺めたり撮影を楽しんでいます。

レーザーポインタの光はとても強いため、特に撮影をしている人にとっては害悪以外の何物でもありません。

自分たちだけが星空を楽しんでいるわけではないので、わざわざ流星群の日にレーザーポインタを持ち出す必要はありませんね。近年では明らかに素人の方がレーザーポインタを使用している場面を見ることもあります。

レーザーポインタの光が人の目に直撃してしまうと失明の恐れもありますので、人がいる可能性のある場所に照射することだけは絶対にやめてください。

同様に強い光を発してしまうと星空観測や撮影の邪魔になるので注意しましょう。移動中の安全確保のためにライトを使用するのは問題ありませんが、観測場所での使用は避けたほうがいいです。

星を見るのに重要な要素が暗闇なので、暗闇を奪うということはほかの人達が星や流れ星を見る機会を奪うことに繋がります。特に気を付けたいポイントですね。


スマホのフラッシュはOFFにしましょう

近年ではスマホでも美しい星空を撮影できるようになり、実際にスマホで星を撮る人たちを目撃しています。

星空を撮影するのにフラッシュは必要ありません。強い光が視界に入ってから暗闇に慣れるまでに時間が必要なため、ほかの人達の迷惑になるのは間違いありませんね。

流れ星を撮りたい気持ちはわかりますが、フラッシュはOFFにしておきましょう。

また、星空を一緒に人物写真を撮りたい場合にもフラッシュを使うことはありえません。フラッシュのような強い光は、星空ポートレートと両立しないのでフラッシュの使用は無駄です。


自分の声量に気づいてる?

流星群を見ながら一緒にきた仲間との会話に花が咲きすぎてしまったパターンです。星空観測をするなかで、これまでに恋愛観や世間話などを大きな声でする人たちに遭遇してきましたが、まわりはそんな会話など聞きたくないのです。

レストランや電車の中でも会話の声量はマナーとして常識化していると思います。おそらく大きな声で話す必要性はないはずなので、自己主張せず仲間内で届く範囲で会話は楽しむといいのではないでしょうか。

夜は音が響きやすいので、意外と気づかぬうちに会話が筒抜けになってしまっている可能性もあります。意識しておくといいでしょう。


寝転がる場所は考えよう

流れ星を探すためにもっとも楽な姿勢が寝転ぶことです。実際に寝転ぶと体に負担なく星空を見やすくなりますし、首が痛くならないのも素晴らしいです。

ただし人の往来があるような導線上に寝転ぶのはやめましょう。暗闇のなかで寝転ぶわけなので、歩いて居る人に踏まれる可能性もありとても危険です。

寝転ぶ場所は安全かつ人が通行しない場所にしましょう。


いくつかの事例とともに流星群を見る際のマナーについて紹介しましたがどう感じましたか?

基本的に自分たちしかいない空間なら、節度はあれど自由に流星群観測を楽しんでいいと思います。

しかし、他の人たちがいるときにはマナーも必要だということです。

  • 他に人がいるならスピーカーで音楽は流さない(どうしても聴きたいならイヤホンか他者への確認を)
  • 撮影時は導線や撮影スペースの広さ、光の使用に配慮が必要
  • 観測場所でレーザーポインタや強いライトの使用を控えるのは最低限のマナー
  • スマホ撮影をするなら事前にフラッシュはOFFに設定する
  • 会話するなら声量は電車内や雰囲気のいいレストランにいるときのイメージ
  • 寝転ぶ際は安全で人が歩かない場所にする

みんなで楽しく流星群を楽しみたいですね。


今回はふたご座流星群に関しての記事でしたが、観測時の参考になれば幸いです。

今年最後の大きな流星群を、師走の多忙な時間をすこし忘れてリフレッシュするのに使ってみるのはいかがでしょうか。

きっと癒しのひとときになると思います。

晴れることを願っています。

星の音

石垣島のフォトツアー